すこしの悲しみ/花野誉
 

すこし悲しみのある朝

昨夜に知ったこと

少し期待していたこと

そんな想いはもう無いと思っていたけれど

朝目覚めて

胸にじわじわと広がる

少し滞る朝ごはんの支度

遠い目をしていたようだ

少し昨日より明るい朝

すこしの悲しみは

そこそこ効いているみたい

──私、悲しかったんだな

後で ゆっくり見つめよう

今は 

すこし抱きしめておく





戻る   Point(1)