クリスマスプレゼント(修正版)/板谷みきょう
まりのように柔らかく、暖かでした。
やがて、おじいさんは静かに息を引き取りました。
見守る人々には、なぜ涙を流し、微笑んで旅立ったのか分かりません。
おじいさんを連れていく神さまの胸元には、大きな、本当に大きな、透明な薔薇の花が有ったのです。それは、この世の誰にも必要とされず、世の誰にも気づかれずとも、ただ自分の純粋な願いのために生きた魂だけが、最後に受け取ることのできる、『永遠の献身のひかり』の証でした。
冬の夜空には、ひときわ澄んだ一粒のやさしい光が、ひとつだけ強く瞬いていました。
※原作「クリスマスプレゼント」を修正しました
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