風が吹く/
秋葉竹
あの鐘を
聴きながらこの年がゆく
きっと乗りたい除夜のはこぶね
夕方の
寂しい匂いを忘れたく
夜道の果ての我が家へ向かう
ショコラティエ
みたいに一途に作りたい
こねくりまわして愛にまみれて
王がいる
世界はどんな風が吹く
ソイツを弑せば世界がガタつく
牛乳を
飲めない子どものころ知った
濃厚ねっとりした母の愛
さつまいも
クリームブリュレを食べたいと
メニューをにらむ古民家の店
きな粉とか
あんこだとか抹茶とか
母のおはぎを食べたい秋風
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