口づけの間は/杉原詠二(黒髪)
時の終わらぬ話だ
いつまで終わらないんだ
ブラックホールで
時間はどのように流れるか
本人にとっては普通に進む
周りから見れば時が止まる
ふたりの唇が口づけるとき
周りから見れば時がゆっくりになる
当人たちの中では口づけたあとも
時間は進む
そして愛を感じる
至福の時だ
もっともっと
ずっとずっと
愛を感じよう
永遠に触れるための口づけ
刹那の瞬間が永遠化する
ブラックホールのような重力を
愛のこころは持っている
しかし事事無礙法界の
こころは自由に離れることもできる
戻る 編 削 Point(0)