おちば/唐草フウ
色を落とした、黄色、褐色の、紅色の
手紙の断片たちが、道の片隅や、真ん中に
からっ風で湿度をなくして
散らばっている
それを潰して
計算できない枚数に砕ける
どうしてうれしい
かなしくならない
弔っているのだと思う
育ってきたものを
ぐしゃぐしゃに踏みつけて
おわらせていく
思い出が消えるのに
どうしてうれしい
いつでも今がすき
ごめんねと思うときもないわけじゃない けど
秋から冬へ つなぐ音楽は
ふしぎな愉しさをくれる
仕舞った無邪気さがこみあげて
自分勝手な わたしの歩みよ
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