銀製の盆/
佐名田纓
眠りたいのに
そして
ねむたく目頭が
熱をもつのに
僕を眠らせない
霜の降った
銀製の盆が
頭の中に
おかれていて
それは
冬の
雪の日の
杉の森の中に
おちている
眠ろうとするたび
僕が
その盆を
じっとみつめるので
まるで見られているみたいに
ひどく目がさえてくる
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