雪の日の話/たもつ
 


雪の白い日
音のない足跡
市街地の中心に
常設された景色の中で
瞬きは行き場を
失っていく
人が人である
その隙間に
転がっている
肋骨の断片の表層に
季節外れの
浮腫みが落ちて
スクランブル交差点の
人混みに揉まれ
泣いている子供が
この世界で認められた
唯一の神様


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