冷線/
りぃ
しばらく考え込んでいた瞳が
そっと滑らかにスライドして
氷漬けの彼を見やった
今では
愛していた感情すら
冷たく凍り
わずかな雫を溢すのみ
再会の日はもう訪れず
電子の螺旋だけが
立ち昇るように
仄暗い光の中で
彼を眠らせている
戻る
編
削
Point
(1)