祈りの城/
泡沫の僕
体ほどもある真白な画用紙。
指先ほどの6色クレヨン。
そいつで幾つも石を積み上げていく。
色を変え、形を変え、飽きもせず。
賽の河原みたいだね。
ーー違うよ、お城だよ。
できたのは少しだけ積もった小さな丸。
そして、余白を囲む大きな丸だった。
やっぱり飽きたんだ。
ーー違うよ。
そうだね、お城だね。
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