愛無く暖なく髪はギザギザ    もっぷ/エヴァル−ジュ
 
ため靴を履くと必ず明日の春夏秋冬

私から巣立つかのように飛んでゆく異国が母国の風詠む1羽

地平線までは終えるが海は未だ観たことがない  無事でおかえり

真夜中の満月を背負う白鳥の飛来に私の枝は震えて


このみちはうっちゃる場ではないのだが目印のように動けぬ私

捨て案山子お前もここに忘れ去られ朽ちてゆく様その一部始終

訛りつつ私を桜と呼ぶ声のまた一つ上の始発に乗って

思い出の数だけ別れのあるとして
別れの数だけ思い出はなし


渡りから土産をもらう風を呼び広げて見ると潮の香り

春落ち葉細石の上に被さるとふわしゃふわしゃと幼子の靴

季節ご
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