おむすび  もっぷ/エヴァル−ジュ
 
終着駅までの全ての往路が足し算の暦なのだと
信じきっていた頃も確かにあったことを思い出す
アネモネの蕾を見て安堵したように降り始める雪がある

事はまだ知らなかった

降りつつ、積もる雪でしか洗い終える事のできない
足跡、そして叶えられるはずの?

街の子のために

表参道で下車し
迷わず骨董通りの路地裏に滑り込む
事のできる哀しみを
誰か歌ったことがあっただろうか


時間の迷子たちがいつも
喪服を選び歩く路
開放的なカフェには
彼らは一瞥もくれずに  今日もほら、

降ってゆく螺旋階段は
彼らをしか選ばずに現れる
間違いでなく


本当に降ってゆくための階段は
実際祭は一つしかない
これから生まれるための





戻る   Point(4)