おむすび  もっぷ/エヴァル−ジュ
 
終着駅までの全ての往路が足し算の暦なのだと
信じきっていた頃も確かにあったことを思い出す
アネモネの蕾を見て安堵したように降り始める雪がある
事はまだ知らなかった
降りつつ、積もる雪でしか洗い終える事のできない
足跡、そして叶えられるはずの?
街の子のために
表参道で下車し
迷わず骨董通りの路地裏に滑り込む
事のできる哀しみを
誰か歌ったことがあっただろうか
時間の迷子たちがいつも
喪服を選び歩く路
開放的なカフェには
彼らは一瞥もくれずに  今日もほら、
降ってゆく螺旋階段は
彼らをしか選ばずに現れる
間違いでなく
本当に降ってゆくための階段は
実際祭は一つしかない
これから生まれるための
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