船に揺られて/
泡沫の僕
嫌になって、旅に出た。
400ccの単車を積み込んで、船は海を行く。
街では見えない星が、よく見える。
暗闇に浮かぶ寄り添った人影。
僕のそばには、月影が浮かぶ。
流れ星が流れても、
残ったビールを啜っただけで、
願い事が浮かんでこない。
船は滑るように波の上を走る。
目を閉じた僕の身体を揺らすのは、
小刻みなエンジンの揺れ。
戻る
編
削
Point
(1)