月下、夜陰の光点にて(改訂)/ひだかたけし
 
哀しみに崩れ落ち
生きながら麻痺し
尚も未定形の想い
抱え込み育みながら
日々の金勘定忘れず
七色に走る霊の打刻
行使する肉身鍛えつ
夜陰に至り病発作
意識溶解しかかる
上唇に木枯らし一喝
熱狂幻滅の向こうへ閑やか
あたふたする我を笑い収め
果てしない意識の奥域 、
死に絶える時を計りながら
入れ替わる何ものかと何ものか
自ら成し得る高みへ荒れ狂うを鎮め
瞑目の視界は全く以て白銀に波打ち
(友と共に出来る事など未だ無く)
巨大なる無機物立ち上がり襲い来る
冬へ向かい耐え忍び 絶えず絶えず
息し生きて己が魂を生かし育み
 
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