春夕べ   もっぷ/エヴァル−ジュ
 
逝く春を巻き戻したし蕾まで

言葉など信じられない風景は嘘を吐けない例えば樹海

新しい友への便り携えてポストへ急ぐ心素足で

初夏の君の窓には今何が

原宿を歩く私を占うと『甘え足りないあなたは長女』

午前2時初めて電話で聴く声にデジャヴのような姉の面影

目覚めるとデータガッ全て消えているケータイ』という夢におののく  

亡くなった人を悪くはいうなというお子様ランチ食べ飽きている

倒産は私残していったじゃない一人で先にいったじゃない

生者との人付き合いができなくて切符ください100年後の

川浅くスニーカーしかひたせずに向こう岸まで0513

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