サボテン  蒼風薫/エヴァル−ジュ
 
思うのは初冬の子供暗くとも帰れずにいる駅のベンチに


秋服のままで真冬を超えた子がうつむき見てる花そして


星がないわけでなくて街赤く記録白く今日は見えない


初夏の健やかな風に洗われる君のブラウス赤いスカート


母の日と父の日の毎々ねん  胸でサボテンがなく

夏の日の扇風機すら望めぬ子一人知ってる忘れたくない

温もりを家で欠けらももらえぬ日は計り知れない追想の中







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