夏休み/梓ゆい
 
ぷっ・ぷっ。と
西瓜の種を飛ばしては
赤い果実を食べ尽くす
夏休みの昼下がり。

畑から帰った父が
もぎたてのとうもろこしを
大鍋で茹で始めたので
私は大きな声で言った。

「茹でるのは飽きた、
焼いて食べたい!」

我儘でさえも
楽しかった子供時代
忘れることの無い
些細な夏の日常。

戻る   Point(4)