生き続けるほど運命は奇異なものだとわかる/ホロウ・シカエルボク
塗り潰しながら胃袋へと落ちていくのを確認してゆっくりと立ち上がり数歩歩いてみた、足取りは確かだった、なんとかなりそうだ、キッチンへ行って水を二杯飲んだ、それでだいぶ頭もまともに機能するようになった、窓を開けて空気を入れ替えた、今初めてきちんと目を覚ましたような気がしていた、冷蔵庫を漁って簡単なものを作って食った、それが自分の身体に溶け込むのを待って掃除をした、埃にまみれた缶コーヒーのことを思い出したのだ、ドアと窓をすべて開けて家中の埃を落とした、それからタオルを濡らしてきつく絞り、あらゆる家具と照明の傘を拭いた、最後に床を拭いて道具を洗って片付け、シャワーを長く浴びた、徐々に湯を熱くして、身体に喝
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