生き続けるほど運命は奇異なものだとわかる/ホロウ・シカエルボク
気分を変える必要があるというような切迫感を持って飛び去って行った、あんな呑気なだけの生きものにそんなものがあるとは到底思えないけれど、それだけあの鳩にとって俺の存在がイレギュラーなものであるというだけの話かもしれなかった、どうでもいい、鳩は俺にとって有意義な材料を持ち合わせてはいないし、俺の方だってそうだ、もっとも、鳩が求めているのはそんなものじゃなくてただのパンくずとかそういうものだろう、ソファーから起き上がろうとしたけれど横向きに倒れ込んでしまった、食事は?最後に食事をしたのはいつだ?ハムエッグを作って食った記憶がある、あれは何日前のことだ?それともいつかの記憶を最近のことのように感じているだ
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