10分間の絶望/りつ
 
不意に
呼吸が苦しくなった
喉元に赤い茨が込み上げて
胸を焼く
どす黒い嫉妬
選ばれる公平と
選ばれない不公平が
黝く全身を侵す
希望などない
このまま息絶えるまで
冷たい褥に横たわり
醜い自分を呪い続けるのだ
求めても決して得られない
もう道は
閉ざされた
私はこのまま
人生に於いて負け続ける
狂うような焦燥
冷たい手が心臓を締め付ける
手遅れ手遅れ手遅れ
あなたと共に居たかった
それすらも
もはや許されない
何処にも救いはありはしない
何もかもが虚しい徒労だった

ふと
空を見上げる
青い
青いなあ
青いんだなあ
絶望は霧のように晴れ
いつしか私は微笑んでいた
まだ生きている
人生は何が起こるか分からない
いつか私を愛してくれるひとに
出会うかもしれない
いつかSpecialな誰かと
暖かく笑い合うかもしれない
息絶える瞬間に
私は私を誉めてあげたい

私は私の人生を歩んでいこう
微笑みと共に

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