最後の花火/花形新次
 
季節の短さに
誰も気付かないけれど
きみは今その真っ只中に
いることすら分かっていない

汗で額についた前髪を
何気なく払う姿は
きみが何とも思わなくても
確かに美しいんだ
それは否定出来ない

そして最後の花火が
きみたちのすべてだと
気付いたときには
もう季節は終わっている

後には
もう残骸のようなものしか
転がってやしないんだ

一体自分は
何をやっていたんだろう
と思う前に
色んなものに
恋をして
精一杯の愛を告げよう

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