秋無月/月乃 猫
 

いつまでも
いつまでも 悔やみつづけ
責めることもできないこの世界に
猫の 環境を探る耳の動きで、
その動きのごとく
私にできる
わずかに残された
希望のしずく、清らかな柔らかな水が、
この灰を流しさり
忘れ去られていく かけがえのない秋を
未来に消してしまわないように
四季はいつか二季へと
紅葉のない枯葉が 「秋」の主役になり
ツメタイ冬へと
スキップしてしまわないように



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