Everything's gonna be alright/ホロウ・シカエルボク
 
透明なものは呼吸を阻むから気を付けた方がいいと昔なにかで読んだ気がする、まさにそんな言葉がしっくりくるような午後だった、夏がようやくため息をつけばエアコンの心地良さが幅を利かせる、一日に一度は真昼間にぐっすりと眠りに落ちてしまう、身体は泳いだ後のような浮ついた重さに絡みつかれていた、様々な欲望の中からどれをセレクトするかというのは昔に比べて随分上手くなった気がするが、睡魔というのは順番待ちを簡単に飛ばしてくるから始末に負えない、でもまあ、それに抗ったところでたいした効果は得られないことは承知しているから大人しく横になって目を瞑る方が話が早いというものだ、数十分眠れば身体も気は済むらしい、昔はこ
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