全行引用による自伝詩。 05/田中宏輔2
リスはいつも二重に裏切られたような気分になるのだった──まず、だまされていたということに、そして次に、最後までちゃんとだましおおせてもらえなかったということに。
(トマス・M・ディッシュ『ビジネスマン』37、細美遙子訳)
四という数になにか魔術的な意味がこめられていたのだろうか、
(カブレラ=インファンテ『亡き王子のためのハバーナ』変容の館、木村榮一訳)
(…)歯痛というのは日常茶飯のことなのに、ふしぎと文学ではあまり取り上げられない。歯痛を扱った作品としては『アンナ・カレーニナ』と『さかしま』と『ブッデンブローク家の人々』の三つぐらいしか思い浮かばないが、これらの小説では奥歯の痛
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