平日昼間のショッピングモールで/喫茶大島
 
こを横目に通り過ぎようとしたのだが、その時「ちょっと!」と言われた方を振り返ると、ひとりの婆さんが私に呼び掛けていた。
「なんですか?」
「昨日の夕方も来てたでしょ?無職?」
いきなりの婆さんの質問に私は少し戸惑ったのだが、「はあ、まあ…」と無難な答えを私は返した。
「いいのよ、気にしないで。日本ももう何か変でしょ?のんびりしてた方がいいの」
とどこか自分自身に納得させるようにもその婆さんは言った。
「どうも」と私は言って婆さんを後にしたのだが、確かに日本が変な感じになっている印象はかなり色んな所で感じられる。私がB型作業所を退めたのは、働くのが環境破壊だと思えてしまう、という理由だったのだが、その理由を私自身が強く感じてしまうというのも、日本が破綻を迎える前兆なのかもしれない。
私が住むF市はまだ人口が増加しているという国内においても稀有な都市なのだが、ただそれも何時まで続くだろうか。SDGsも幻のように思える。

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