flash life/むぎのようこ
 




せいかつの折り目は星を繋いで
迷子になれなかった
花々のかおりを籠もらせたそらの
雲のうすくなった背をなぞり
つめたい道路にすりおろされた
あかきいろを見つめてみる


やさしいのは時間だけ
過ぎてゆく合間のひかり
軈てみおろす青い星
うつくしいのは営みか
りんねした幾つものまばたき
かえれない人の為のけもの道
くだって
野にかえるしろい裸体


背中をいつだって嗤って
けりあげた生きものこそが
ほんとうはけものだって
だれもしらないから
密かにまばたきをして
金木犀を吸い込んで
秋になりかわった躯で
ふじゆうを謳歌する






戻る   Point(2)