プリシラ※/森 真察人
 
臥所(ふしど)の窓に霞む
雷鳴
光もなく
闇もない
くだらない土塊(つちくれ)の隙間から
悲劇は生まれ
廻転する天球に連れられ
やがて
全地を覆った

 命なんて無いに越したことはないわ
 だって私は
 無を捏(こ)ねて
 ぱらぱら撒いて
 ひとびとをつくっただけだもの

惑乱する
窓枠
夜半の喘ぎ声は
重なり

 仮に 私以外のすべての生命が愚かしくとも
 私はそうでありたくないの
 ああ

少女の語り口は
止むことがなく
あまねく地上の哀しみに
少女は笑いながら首肯した
?

 夢を見たの
 首と四肢の無い
 
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