わたしの白い馬/そらの珊瑚
いは
いつ
どこで
だれがだれに何度言ってもいい言葉だよ、と
フレンチトーストをたべながら言った
メープルシロップはここ数ヶ月切らしていたが
けれどそれなしでも
もはやあのメープルの涙の芳しさを
わたしたちは
脳内で再現することができる
ここにいることと
失ってなお記憶に生きていること
窓際の虎の尾は酸素を吐いて
二人の息と交換してるステーション
桃林さんは
急いで口いっぱい頬張りすぎたものだから
甘く焦げ目がついたひとかけらの湿ったパンが
口元からころげ落ちた
ここはとても重力が効いているね
急ぐことなんて何もないのに
いきいそぐことなんてなんにもないのに
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