刑事コロンボ、立原道造の詩「のちのおもひに」を追う/菊西 夕座
 
ら 語りつづけた・・・・・・
   だれも到達できないと自惚れて 騙りつづけた・・・・・・

夢は そのさきには もうゆかない
   ひとり コロンボだけが ホシを知る
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
   そしらぬふりで かぎつけてしまう
忘れつくしたことさえ 忘れてしまつたときには
   裏で結び付いていた 弔事の糸さえ捕まえる

夢は 真冬の追憶のうちに凍るであろう
   足が 追跡の果てに付いてしまった村で
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
   己と 死をむすびつけた コロン星(ボシ)を見つけ
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう
   星座に組み込まれていた啓示をたどりかえして



※奇数行は全て、立原道造の「のちのおもひに」を引用しております。
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