寝過ごす夢を見た/ただのみきや
いて
墓地の前に敷かれた布団へと誘った
わたしたちは塵となりひとつに混ざり合った
空の布団がめくれ風が踊っていた
高い空から見下ろしていた
公園のベンチで
わたしは野良猫を膝に乗せた
撫でていると
いいのか? と問う声がした
猫は古い日本人形に変わっていた
いいさ 呪われたって歌ってる
なれた仕草で 不器用なまま
眠っているときに覚めていて
覚めているときに眠っている
なおさらあっという間 人生なんて
ことばにしてもしなくても
(2025年10月4日)
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