寝過ごす夢を見た/ただのみきや
おまえのことばから察すると
おまえはおれたちよりずっと頭が悪いだろう
わたしは答えた ああそうだ
そしてお前らよりずっと面白おかしく生きているって
察しもつくだろう
ことばにならない
ことばにおさまらないものをことばにする
だから
遠く近く見つめるようにこころに耳を当てるように
その横に立って視野を共有するように
少しでいいから察してみたい
字引のようにことばは追えても
こころや気持ちは香りのようにすりぬける
海が見える墓地で
サンカの娘と会った
他言無用の密会だと言う
彼女の顔は楼蘭の美女とよく似て
汚れた布で巻かれていた
彼女はわたしの手を引いて
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