(糞俳句)/
 
糞ありて 四季もまたあり


菜の花に撓垂(しなだ)れ掛る犬の糞



糞踏みて叫ぶ声あり花の陰



この窓へ糞かけたるか巣立鳥(すだちどり)



山路(やまじ)に糞あり丸かりて汗拭う



炎暑の墓地や鹿の糞風解(ふうかい)す



夏の夜の草むら探り糞拾う



白菜を剥けども剥けども虫の糞



落ち葉ごと拾う糞に温もる手



霜晴れの牛糞は湯気もうもうもう



鳩どもの糞にも霰跳ね踊る



門前に凍(しば)れる糞よ狐たれ



雪解けは犬の糞より進むらし
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