全行引用による自伝詩。 03/田中宏輔2
想を固定化したものにほかならない。発話された言葉を定着させるという必要性に迫られて、何世代にもわたる精神が選別と形象化を繰り返してきた末に、ようやく今の形になったものだ。
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第3部・20、嶋田洋一訳)
ある時期にわれわれは言葉というものを獲得し、それとともに向こうの世界から隔離されてしまった。世界を直接に理解するのではなく、思考が体験を媒介するようになったのだ──観察するのをやめてみれば、自分が思索の対象と切り離されていることはすぐにわかる。
(マイケル・マーシャル・スミス『ワン・オヴ・アス』第3部・21、嶋田洋一訳)
法廷は内部
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)