森陰の光/ひだかたけし
 
季節の時の今だに刻み込まれ移り変わり
奇跡と澄み渡り何もかも透明な視界
何一つなくなり(在るだけ只くっきり)

彼岸と此岸に橋架かるこの一時 、

晴れ渡る透空の下に子らの声木霊し
森林の入り口にて夢中で駆け廻る
絶えることない笑い声上げ
高くもなく低くくもなく、

据え置かれ純白の光彩放ち咲き誇る
大きな巨きなロータスフラワー
渦巻く世界の哀歓透過し共鳴の響、
次第閉じて萎びいく花弁の片隅から
季節の移り変わり浮き彫りにし

森の入り口既に過ぎ越す子らの声、
ぽわんぽわっとぽわんぽわっ
新たな現を生み出し次々と止まず

時ならぬ全て見通す今この瞬間に 、

疾駆疾走の群れ 肉身の壁すら突き抜ける



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