??深淵のリディム??/奥畑 梨奈枝
 

「開けてもうた…ネクロノミコン…
血ぃの匂いするインクで書かれてた契約書…
ページめくるたんびに目ぇの奥に何か這い上がってくる…
逃げられへん…逃げられへん…」

夜中の3時、路地裏のサウンドシステム
古本屋で見つけた この禁断の書
ただのジョークや思て開いたら最後
無限の眼がオレを覗いとった

「血ぃ一滴、舌で誓え」言う声が
スピーカーの奥から響いてきた
邪悪なこのリディムと一緒に
あいつらの脈動が腹の底に食い込んでくる

唱えたらあかん あの名前は
音にしたらあかん 世界が割れる
やのにDJが針落とした瞬間
呪文がビートに乗って解き放たれる

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