リトルブレイン/おまる
、街の稜線と、広告の数々が輝いて見えた。ヴィヴィッドな景色に立ち眩みながら新宿駅に降り立って、とりあえずエツヒコと待ち合わせをしていた「東口」とやらのありかを交番に聞きに行った。「あ?東口?んなもん、云々、、、」と完全に田舎者を馬鹿にしたふてぶてしい口調で教える警察官。何も知らないおれは「これが東京弁っちゅうやつかな?」とトチ狂って有難がっていた。それまで住んでいた田舎は全てミニチュア、人も建物も。おれはまるで小人の国に迷い込んだ巨人のように、欝々とした日々をおくっていた。新宿の高層建築群を目の前にした時は、かんぜんに逆。身のまわりのものすべてが大きかった子供の頃にタイムスリップしたような、ノスタ
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