リトルブレイン/おまる
けると、知らず知らず感情的になって、忽ち品が無くなるタイプの人間だということを認識した。となりで黙々と”おしごと”を執行していたエツヒコは(京都競馬場の方でも賭けていた)なんと万馬券を釣っていた。小銭がウン万円に化ける様は、流石にダイナミックである。おれは「うわあ、剣呑」と、おもわず呟いていた。
競馬"狂"なのだから、借金もこさえる。多重債務が膨れあがって、もうウン百程にもなってんだよ、ガハッ!と自慢してた。そればかりではない。いざという時はお父上に泣きついて、解決してもらう、ということをなんべんも繰返している。しかもこれ、本人が自慢ったらしく語るのだから、アレだ、「つけ
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