野火/guest
 
戦火の焼け野原で 
そこに天国があると聞いたから
私が殺した人の死体を埋め
空を見上げた

彼は私を殺そうとした
同じことをされても仕方がない
でも
私は生きていたいと思わなかった

独り言が続く
声に出すことすら億劫だ
じゃあ、何故殺してまで生き延びようとした?
家族が居たからかな?故郷の友達を信じたかったからかな

お前、お前が死んでも構わないんだろ?
誰かが私を殺す
支離滅裂になった心を両手で掬い上げて
なけなしの理性が歌う

空の上に楽園はなかった
私の心の中にだけ咲く花
言葉を置いては城のように積み上げた
いつか現れる王様を護る為の砦


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