踊りな、人形たち/ホロウ・シカエルボク
 

風を待つ帆船と同じ速度で混沌に因る僅かな乱れはやって来る、でももうそんなものに狼狽える歳じゃない、それは蕁麻疹みたいなもので、なにかしら対処をすれば収まるものだということを俺は知っている―それを知らなかった頃、あまり長くは生きられないだろうと思っていた、その方が潔かったかもしれないと考えることもなくはないが、けれど結局のところ、生きてみせることが出来ている現在はまずまずというべきだろう、俺は自分がするべきことの選択を間違わなかった、それは誇るべきことだ、まあ、あんまり声高に言うようなことでもないけれど…自分がなにをするべきか理解していれば人間はそんなに間違えることはない、どんなことに手を出して
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