終る夏/青の群れ
夕暮れが影のように静かに降りてきて
熱に焼かれた街をやっと冷やしていく
街灯の明かりが点々と瞬きはじめる
それは救いの合図のようで
けれど近づけばどこか歪んでいて
本当の居場所を照らしてはくれない
生ぬるい風が頬を撫でて
それでも昼間よりは優しく
わずかな隙間を残していく
スマートフォンは沈黙し
「充電してください」と繰り返す
まるで生き直せと告げるように
この季節の終わりを待ちながら
それでもまだ終わりを信じられないまま
影の中に少しずつ溶けていく
残る夏
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