伝播(改訂)/ひだかたけし
葉群れの揺れる
風吹かずして
緑葉の群れ揺れ
ゆうらゆうら
ゆうらゆら
眠りながら夢見ながら
いつしか目醒めながら
意識に至り思考して
葉群れの揺れ見入りつ
思考の目の己を眼差し
意識の私となり開かれて
朝の光に照らし出され
それぞれに浮き上がり
自らの旋律奏でながら
何時しか皆と響き合い
ゆうらゆうらゆうらゆら
ゆうらゆうらゆらゆらら
色彩の揺れ形の揺れ
在るの揺れ世界の揺れ
投擲され尽くした
神々の想い
世界のなか私のなか
周縁から終焉から
私なのか誰なのか
世界のなか部屋のなか
ゆうらゆらゆうらゆら
風絶ゆるなば息送り込み
風の吹き来て響き合い
寄り添い合い離れ合い
葉の人の人の葉の
世の人となり
絶えず絶えなる
想い拡げつつ 、
自らに更に深く沈潜し
ゆうらりゆらり ゆんゆんゆん
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