I FEEL FOR YOU。/田中宏輔
さんざんな夏だった。恋人からは平手打ち。あまりの表情の変わりように、おしっこ、ちびってしまった。
〇
いま日知庵から帰った。ヨッパである。詩は悲しい楽しみであり、楽しい悲しみである。人生もまた、悲しい楽しみであり、楽しい悲しみである。人間もまた悲しい楽しみであり、楽しい悲しみである。えいちゃんに、アムロ・ナミエという名前の歌手のCDを渡された。
〇
この歌、ええねん。といって、「GET MYSELF BACK AGAIN」という曲の歌詞を読ませられる。ひさしぶりに涙が落ちた。人間はときどき泣かなあかんなあと思ってたけど、じっさい泣いたらなんか負けたよ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)