98番目の誘惑/林 理仁
 
んと取り残された私は、私にはない楽しさを持ち合わせている周りに嫉妬するばかりだ。

今日も高校に行く。さて出発だ。クラスのみんなにおはようと言う空想。それは数分後に実現する。雨が降る可能性があるので傘を持っていく、私はずぼらなので天気予報には頼らない、なぜなら5秒後には忘れてしまうから。私が傘を持つ時は雨が降る可能性がある時か、実際雨が降っている時だけなのだ。

道を歩いていると小学生の列が前から歩いてくる。
おはようございます! と元気に挨拶してもらえた。
小学生の一人が私の顔をまじまじと眺めてきた。
産んだ覚えはないけれど肩から生まれた我が子よ、という私自身なんだかよく分からない思考回路になる。
だから女性は幼稚園の先生目指す人いるのかな? と、このよく分からない思考回路の理由が少しだけ分かったような気がした。

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