ワンダーアイランド/鏡文志
風が吹き嵐へと変わり、大地が揺れると、雷さえ落ちる
僕の心の中に小さな島が沢山出来て、そこにタネが撒かれると、花が咲き乱れる
タンバリンが鳴る。シンフォニーが流れる。木が踊りだす
僕が心の中に一つの道筋を見つけると、その中を一粒の涙のように雫がつたい、木の葉を濡らす
秋から夏、春から冬へと縦横無尽に季節は色づき変わる
そして最後に静寂が訪れるとそこには、なにも残らない
頭の中のリプレイボタンを押してまた、ゼロからのスタート。この繰り返しだ
僕は心の中に一つの筋を見つけ、宝物を見つけるための地図を拡げた
折り畳めば世界はまた元の現実へと帰るだろう
くしゃくしゃに丸めたドリームを持ち歩き、僕はまた何事もなかったかのように路上を歩く
心の中に大きな宝箱
それが僕の夏の夜の物語って、わけさ
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