骨のゆくえ 蒼薫薫 (叙情文芸151号入選作))/梅昆布茶2
わたしのさみしい骨のゆくえは
乾いた風吹く荒涼とした地
どの生き物にすら踏みつけられることもなく
ただひたすらに転がってるだけ
あしたなら抱えきれないほどあって
きのうのひとっつも無い寂寞
さみしいと
さみしいさみしいと呻く
死んでいながら呻く骨なんです
わたしのさみしい骨のゆくえを
探しているひとが居るとのニュース
驚いてそして恥ずかしいと思いました
骨ですから
あのワンピースもあの靴ももう
用の 無いかなしい骨は
砂漠よりもよほど切ない
意味の無い場所に転がってるだけ
ぜひにも会いたいあなたに会いたい
どちらに眼をかっと見開いていれば
すれ違いが起きないかしら
と心配で心配で
夜さえ眠れない骨となり
月と出会いました
居たんですねとわたしが言うと
はい、居ましたと月が応える
なぜですかとわたしが不思議がると
月はいよいよ白く輝くのでした
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