LIVING IN THE MATERIAL WORLD。/田中宏輔
 

  〇


詩人になりたいと思ったのは、言葉の魔術師になりたかったからだ。ルーズリーフ作業は、その修行の一つ。言葉で、どこまで、いろいろなことができるか。だから、ぼくがフォルマリストであるのも当然のことなのだ。フォルムは魔術の根幹にあるもので、ぼくが発明したフォルムは、ぼく独自の魔術である。


  〇


しかし、フォルムは使用されるたびに強度がますものであるが、乱用されると、その効果が薄れるものでもある。恋と同じだ。恋もまた魔術の一つなのだ。そこにはフォルムもある。恋も、魔術も、詩も、才能が必要だが、やはり弛まぬ努力が必要なのだ。


  〇


というか、フォ
[次のページ]
戻る   Point(14)