苦しむなそして止めなくてもいいが悲しむ必要はない/杉原詠二(黒髪)
て行くことは
苦しむわけではなく
悲しむためでもない
慈悲の心が輝きを増してくる
わたしたちは
それぞれに愛したけれども
過ぎた愛は
永遠に届かなかった
永遠に愛するために
わたしたちは掌の上に
慈悲をのせた
わたしたちは教え合った
苦しみながら
道に迷いながら
ときに教え合い
生を歩んだ
よき関係と呼べないだろうか
愛によって結ばれるのではないだろうか
もし望みさえすれば
あなたはわたしを望むかな
わたしはずっとあなたを望みつづけた
今世の孤独を逃れることが出来たなら
わたしたちは手を握り合おう
会って手を取って握り合おう
光と水と花と風がわたしたちを再構成する
縁が苦しみを生んだのなら縁によって苦しみを滅することが出来る
すべての苦しみが消えたとき
わたしたちは光と花になる――
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