ハミング/秋葉竹
時間が止まったとき
カーテンを開けて夜の街をみおろして
ふと
生きているってことが
俯き笑うしかないゲームみたいなもんだなと
ふと
想ったよ
プロフェッショナルは悲しみなんて
ちゃんと無視できる
じぶんじしんなんて
二の次だって覚悟している
過去を忘れられるはずがないくせに
なにも憶えていないと信じ込み
大きな嘘を大きな声で
捲し立てる決して行列には並ばないからと
生きてるかぎりすべての
悲しみを片付けなくてはならないんだ
それだけが
生きるために必要なルールだと知り
それでも
それと生きてるだけでもしみ込んでくる
悲しみとはまるで
別のもののような気がするのだが
それはそれで
日々忘れてしまうたとえ時間が止まっても
クルクル回る
止まった夜の街の中を
クルクル回りながらひたむきに
夜の冷気を吸い込みつづけるしかないんだ
それで元気になるしかないんだ
ハミングでもしようかな
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