COME TOGETHER。/田中宏輔
 
の出口に向かい出したのだった。机の角や、椅子の背に手を触れながら。子どもたちは盲目だったのだ。気が付かなかった。ぼくの夢のなかのさいしょの視点は、一人の男の子の顔をほとんどアップ


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で、正面から微動もせずに見つめていたのだった。子どもたちが動き出してから、ぼくの夢のなかでの視点は立ち上がった人物の目から見たもののようで、その目は教室の出口に向かう子どもたちの姿を追っていた。ただ、教室の外に出るだけでも、お互いをかばい合うようにして進む子ども


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たちの姿を、夢のなかのぼくの目は見ていたら、涙がこぼれそうになって、涙がにじんできたのだった。目が見える
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