中国本土のドラマ/室町 礼
 
い。
日本のように平準化された受験体制、平準化
された社会形態や風習習慣通俗のもとでドン
グリのように、突出したところもなく同じよ
うに育てられた人間が、そこに居心地の
悪さや退屈さや反感を感じることなくむしろ
安心安全の根拠をそこ(「平準化」)に見出し
て手で囲おうとするとき、いったいどんな
《逆接》の会話や文学や詩が生まれるという
のでしょう。現代詩でいえば、
いかように現代詩ぶってもそれが《順接》で
あることは間違いようもなく、いかほど感性
や思考力で見栄えを粉飾しても読むものが読
めば例の「あくび」と「眠気」がさしてくる
シロモノにすぎないような気がします。

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