親しみある世界へ/杉原詠二(黒髪)
ませんから
母星を離れて自立することは
地球自身の望みとは違っており
わたしたちは地球に背けないのです
地球を壊すことは
わたしたちの自殺であり
実際的親殺しです
そして人間がこのままエゴイズムを貫くならば
それが現実のものとなってしまいます
灼熱の太陽も
わたしたちを見守っていてくださいます
静かな月も
海と呼応し合って
やはり私たちを
生かしてくれているのです
大いなる大地と
大いなる海の
存在を想像せよ
大地はマグマを下に秘め
海は底知れぬ深さを持ちながら
魚介類藻類を生かし
わたしたちを静かに見てくれている
潮騒は響き
森林はざわめく
重力への恩寵を
美しく歌い上げた
シモーヌ・ヴェイユの慧眼と愛に
大きく感謝を
わたしの根っこはこの町
我が地元にあります
誰もが住みよい家を
家族みんなで作り上げました
人々は
それぞれの邸宅を
お大事に
招いたり招かれたり
親密な関りの中でこそ
人は幸せに生きて行けるでしょう
花や食物を送り合う
優しい生活の中で
地球の息吹を
しっかりと確かめて眠りましょう
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